港・ヨコハマ

 海の日はかつては7月20日でしたが、2003年からいわゆる“ハッピーマンデー制度”の導入により、7月第3月曜日になりました。このハッピーマンデー制度、2連休3連休が増えて良いと思う人も多いかと思います。しかし実は曜日ごとのスケジュールで動いている学校や病院にとってはきわめて有害な制度であって、そんなことも考えずに安直にこんな制度を導入した日本の政治家や官僚の頭の構造を疑いますが、それはまた別の話…。

 ところで当初はなぜ7月20日が“海の日”だったのか?戦前の“海軍記念日”は日露戦争での日本海海戦の勝利を記念する5月27日でしたが、“海の日”にはそれほどの大した理由はないようです。“海軍記念日”も休日だったようですが、まさかハッピーマンデー制度(戦前だから“幸福月曜日制度”か)にはならなかったでしょうね(笑)。何しろ「
月月火水木金金」の猛訓練がモットーの日本海軍でしたから…。今の日本は「日日火水木金」です。

 さて“海の日”の趣旨としては、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」とされていますが、日本はいわゆる海洋国家と言えるのでしょうか。“海洋国家”という言葉から世界史的に連想する国としては、古代フェニキア、カルタゴ、アテネや、中世から近代にかけてのベネツィアやジェノバなどイタリア海洋国家群、陽の沈むことなき帝国と言われた大英帝国などが思い浮かびますが、はたして日本はこれらの“海洋国家”と肩を並べられるほど海を愛し、海とつき合い、海を制してきたでしょうか?

 戦前の海軍省選定の歌に「太平洋行進曲」というのがありました。

海の民なら男なら
みんな一度は憧れた
太平洋の黒潮を
共に勇んで行ける日が
来たぞ歓喜の血が燃える


この歌の2番には「
仰ぐ誉れの軍艦旗」などという歌詞もありますが、戦後もしばらくは商船大学などの練習船が出航する時に演奏されていました。

 私もかつて東京商船大学に憧れていたけれど、近視で航海科出願の視力に達しなかったために断念したことは、このサイトのあちこちに書いている通りですが、不思議なことにその後の人生で出会った“海の民の男ども”の中で、一度でも“太平洋の黒潮”に憧れたことのある人はほんの数えるほどしかいませんでした。私は男なんて生き物は、一度くらいは海や空に憧れた経験を持ってて欲しいと思ってるんですが、若い男の子たちも含めて皆どこか“堅実”というか、足が妙に地に着いちゃっているんですね。
 まあ、私もその後いろいろと考えてみましたが、元々日本人にはバイキングのような海洋民族の血は流れていないのではないでしょうか。日本人は中国大陸や朝鮮半島から島伝いに渡ってきて日本列島に住みついた半島民族の子孫ですから…。この話もサイトのどこかに何度か書きましたが、リンクは付けません。“海洋民族”なら自分で探しに行って下さい。
 とにかく日本は周囲を海で囲まれているというだけであって、日本人はその海に積極的に乗り出して行くことをせずに、逆に海を防壁として島国に閉じこもり、ひっそりと身を寄せ合って暮らしていたのでした。

 上の写真は練習船「日本丸」です。横浜の埠頭をブラブラ散策していた時の撮影です。私がかつて憧れた「日本丸」から代替わりした二代目で、お母さんも綺麗でしたが、お嬢さんも白い船体に青いストライプが映えて、なかなか垢抜けた美人です。こんな美女に憧れないなんて、やっぱり男じゃないね。

 さらに横浜の埠頭を歩いて行くと、大桟橋に巨大な客船が横付けしていました。画面右端奥のタワーは現在閉館中の横浜マリンタワーです。
 この船はPacific Venusという総トン数約26500トンの大型クルーズ客船で、船名から考えるとどこの国の船だろうと思いますが、実は“ぱしふぃっくびいなす”という日本船籍です。日本クルーズ客船株式会社の所有です。

 600人以上の旅客を乗せてクルーズなどもやるそうですが、一生に1回くらいはこういう船で世界一周クルーズなんかやってみたいです。
 ちなみに来年(2009年)の世界一周クルーズ、102日間で最低でも1人290万円、最高級のロイヤルスイートだと1人1600万円だそうです。たぶんロイヤルスイートだと食事も最高級でドリンク飲み放題、しかも船長さんたちと同席でしょうから、1600万円が高いか安いか…(沈黙)…やっぱり高嶺の花ですか…(ため息)。
 救命艇が片舷3隻しか見えませんが、タイタニック号を思い出す必要はなさそうです。救命艇として使用する時の定員は150人だそうで、これなら確かに全員乗れるけれど窮屈そう…。

 戦前は日本にも多数の花形客船が就航していましたが、太平洋戦争でほとんど壊滅してしまいました。戦後の海運界はしばらく貨物船やタンカーなどが主体で、クイーンエリザベスU世号に代表されるヨーロッパのクルーズ客船に大幅に遅れを取っていましたが、やっと最近ではこの“ぱしふぃっくびいなす”や“飛鳥”など立派なクルーズ客船の時代を迎えたわけです。
 そんなこともまた日本が海洋国家でない証拠と言えますが、いずれにしても、また馬鹿げた戦争などやってこれらの船が軍に徴用され、海の藻屑と消えてしまわないことを願わずにはいられません。

 海の日にちなんで横浜港を散策してみました。

             帰らなくっちゃ