船の旅

 さて今回、半分出張・半分観光(1/4出張・3/4観光)で札幌に出かけることになりましたが、ちょっと気まぐれなコースを取ることにしました。新日本海フェリーの新潟〜小樽航路です。現在この航路は“ゆうかり”と“らいらっく”という2隻の大型フェリーで運航されており、朝10時半に新潟を出港した船はほぼ一昼夜の航海後、翌朝4時半に小樽に入港します。対馬海流に逆らう反対コースはさらに1時間半ほど余計に時間がかかります。

 これが
新日本フェリーの“ゆうかり”。総トン数18300トンの威容がお判りでしょうか。船尾に開いている扉から大型トラックが楽々と出入りするのです。無事に小樽に着いた後、反対側の岸壁から撮影しました。


 船の上では時間がおそろしくゆっくり流れます。ビジネスで太平洋を渡るのではとてもたまりませんが、忙しい毎日を送っていると、たまにはこういう旅も良いものです。船旅での私の指定席は大体いつも後甲板です。潮風に吹かれながら半日ほどボケーッと過ごしていました。
 右舷を過ぎる日本海の海岸線は、学生時代に友人と旅行した地方です。その時代を皮切りに、これまで自分が過ごしてきた数々の時代の思い出が次々と脳裏をよぎります。振り返れば船の航跡が白く泡立って、水平線に向かって伸びています。船旅はまるで人生そのもののようです。



 思えば私自身もまた船乗りになろうと憧れていた時代がありました。視力さえ良かったならば、今頃はこんなウェブサイトなど書いておらず、今日もまた海の上だったかも知れません。来る日も来る日も船に乗って、雲や波の変化を眺める日々を送っていたら、私はどんなことを考えるようになっていたでしょうか。別の人生を歩んだ自分自身に興味があります。できればいつか会って話をしてみたい…。たぶん今の私と同じような人生観を持っているんではないでしょうか。
キャプテン ブンブンの航海記なんていうウェブサイトがあったりして…。

                  帰らなくっちゃ