海軍ファン

 セーラー服といえば女子高生が着る服という貧困なイメージしかない日本人ですが、もともとセーラー(sailor)とは水夫とか水兵を意味する単語です。まさに海の男、男の中の男なのです。水兵たちが大きな襟の付いた服を着るのは、襟を耳の後ろに立てて、潮風の吹きすさぶ甲板でも船長や艦長の命令を聞き逃さないようにするためなのですが、日本の女子高生や女子中学生の制服は、この水兵の服に似ていることからセーラー服と呼ばれるようになりました。真の海軍ファンや海事ファンにとっては、変態と間違えられかねない非常に迷惑な事態です。

 ところで海軍ファンは意外なところにもいるものだというお話を一つ。
 私が数年前にインストールしたSystem Soft社という会社の麻雀ゲームソフト(雀道4)では、対戦相手としてコンピューター側に設定されるキャラクターが30名もいるのですが、その中の13名については次のような名前が付けられています。これらの名前の共通点を述べなさい。

山城 美幸
日向 小牧
加賀 祥子
安宅 悦子
伊勢 隼人
最上 敬介
青葉 摩耶
赤城 志郎
長門 光太郎
霧島 高雄
立石 瑞鶴
鈴谷 千歳
三沢 榛名


もう判る人にはお判りですね。これら13名の架空の人名の中に、延べ16隻の聯合艦隊の艨艟の名前が織り込まれているのです。このゲームソフトを制作した人はきっと海軍ファンです。山や川の名前を読み込んだだけだと言うかも知れませんが、それなら瑞鶴はないでしょう。
 これらの他に、
藍沢 桜というのもあって、桜も駆逐艦名とするなら延べ17隻ということになりますが、他はすべて戦艦、航空母艦、巡洋艦、砲艦という菊の御紋章付きの軍艦ばかりですから、これは女性の一般名として付けられただけかも知れません。また目黒 孝一というのも出てきますが、海軍大学のあった目黒と考えるのは深読みでしょうか。

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