私の手荷物
今回はちょっと番外編として、旅に出る時の私の荷物について書いてみる。私の旅行の手荷物が少ないことに、ほとんどの人がビックリするからだ。
海外旅行でも10日から2週間くらいの日程なら中ぐらいのケース1個で済むから、私一人で飛行機に搭乗する時にカウンターで荷物を預けることもない。2〜3泊の国内旅行なら普段の通勤と同じケースで十分である。(ずっと下の写真参照↓)
これにはクローゼットを抱えて移動しているような女性たちからばかりでなく、男性諸子からもよく驚かれるが、では例えば10日間の海外出張に際して私が何を持って行くか、列挙してみる。
下着と靴下の替え7日分(往復の機内は着替える必要なし)
ワイシャツまたはカジュアルなシャツ数着
パジャマ代わりのTシャツ2着
フォーマルなスーツ1着とネクタイ3本
サンダル1足(機内用と散歩用)
洗面用具と電池式シェーバー
眼鏡と文房具と文庫本
基本的にはこれだけなので、55×35×20センチ大のケースに入ってしまい、これなら国際線の機内持ち込みも可能である。
そもそも旅に出るということは多少の不自由を我慢しなければならないのであって、その不自由もまた旅の楽しみの一つなのである。何もかも日常生活と同じだけの便利さが無ければ困るというのなら、旅行などせずに自宅で過ごしていればよろしい。
家にあれば笥に盛る飯を草枕 旅にしあれば椎の葉に盛る
この歌は658年に謀反の疑いで処刑された若き有馬皇子が、天皇のもとに護送される旅路の途中で詠んだとされているが、別に謀反の疑いをかけられていなくても旅は不自由なものだ。
ところで前述した機内持ち込み可能な55×35×20センチ大のケースは私の旅の愛用品で、お蔭で海外旅行でも面倒な機内預けや受け取りの手続きをしなくて済んでいるが、ただ1回だけ例外があった。
2001年9月9日、このケースを持ってイスタンブール行きの飛行機にチェックインしようとしたら、係員から荷物を預けるように指示された。いつもは客席に持ち込ませて貰えたのに何故…、とずっと不審に思っていたが、先日突然ピンときた。あの日は例の9・11ニューヨーク・テロが発生した2日前だったのである。実はアメリカ政府はテロの情報をあらかじめ把握していて、各国の航空会社等に極秘のうちに警告を発していたのではなかったのか。そう考えると妙に辻褄が合うようで不気味である。
奥が10日程度の海外出張に持って行くケース、手前が3日程度の国内出張に持って行くケース、こちらは普段の通勤用でもある。