開聞岳
開聞岳は薩摩半島南端の山で、突端の長崎鼻から見ると円錐形の綺麗な形をしています。別名「薩摩富士」とも呼ばれていますが、本家の富士山より整った形かも知れませんね。しかも海から直接そそり立っているように見えるところが何とも素晴らしい。日本全国に○○富士と呼ばれる山はたくさんあるが、この長崎鼻から見る薩摩富士が一番風格があると思っていました。裾野が海につながっていて人間の営みから切り離されて見えること、山麓全体が常に南国の緑に覆われていることなどがその理由でしょうか。
しかし薩摩半島南端では桜島より存在感のある開聞岳ですが、標高はわずか924メートルしかなく、北側の裾野から眺めるとなだらかな斜面をそのまま一気に駆け上がれそうな気がするほどです。(実際は片道5キロで山頂まで2時間ほどかかるそうですが)
私の連想はいつも戦争末期の特攻隊につながっていくのですが、鹿児島県南部の基地から飛び立った特攻機は、この開聞岳を沖縄への道標として南の空に向かったといいます。飛行機上からもおそらく最後まで見えていた日本本土の陸地だったでしょう。特攻隊員たちが開聞岳の山麓に撒いていったという悲しい特攻花の話は現在も語り継がれているようでした。