横須賀臨海公園

 JR横須賀駅の改札を出て左手前方へ向かった所が臨海公園で、ここからは海上自衛隊や米海軍の軍港が見渡せます。横須賀は明治の昔から言わずと知れた軍港地帯で、臨海公園の一角には写真のような「軍艦長門碑」が建てられており、台座には「ありし日の聯合艦隊旗艦長門の姿をここに留めて昭和激動の時代を偲ぶよすがとする」と書かれています。この長門の姿は太平洋戦争を戦った時の近代化されたものではなく、戦前から日本海軍のシンボルとして国民に親しまれた姿で、2本の煙突のうちの1本がクニュッと曲がったユニークな形です。
 そんなことは今回はどうでもいいのですが、この長門の絵は右側(港の出口の方)を向いています。これは長門が横須賀軍港に停泊していた姿をそのまま写し取ったもので、何故そんなことが判るかと言えば、海軍に限らず船乗りというものは、船を港に停める時は必ず舳(へさき)を出口に向けて、いつでもすぐに出港できるようにしておくものだからです。これを「出船の精神」といい、多くの船乗りは駐車場の自動車も玄関の靴もいつでもすぐ出られるように置く習慣があると思います。
 私も視力さえ良ければ商船大学へ行きたかったので、若い頃から「出船の精神」は常に心がけていましたが、最近ではつい忘れがちのようです。あと船乗りの合言葉で大好きなのが、「スマートで、目先が利いて几帳面、負けじ魂これぞ船乗り」というもので、私も残りの人生、これで行きたいものです。

 なお最近ここはヴェルニー公園と呼ばれるようになっています。

                      帰らなくっちゃ