プロメテウス火山

 ほとんどの若い人たちなら、ここがどこだかすぐに判るかも知れませんね。不気味な岩肌の露出する奇怪な活火山の山容、その山裾にあって海岸に面するペルシャ風の宮殿と、そこに停泊する3本マストの帆船…。私たちの世代の者なら、遠い昔に遊んだことのある場所によく似た風景です…。
 って、ここは2001年9月に開園した東京ディズニーシーじゃないの?そんな大昔からあるわけないじゃん、と思った方、別に私はウソをついているわけじゃありませんよ。

 1983年に千葉県浦安市に開園した東京ディズニーランドの第二テーマパークとして、隣接する敷地に開園した東京ディズニーシーは、やはりミッキーやドナルドが主役ですが、ディズニーランドに比べると一回り大人向けのパークで、施設もご覧のように本物と見間違えるようなプロメテウス火山を中心に風景自体も凝ったものになっています。それに何より園内でお酒が飲めるし〜(笑)。

 ところで私も先日、初めて東京ディズニーシーを訪れてみましたが、デジャブ(既視感)というか何というか、何だか初めてのような気がしない。遠い昔に何度も来て遊んだような気がするんですね。
 不思議な感じがしましたが、仮想空間のところでも書いたように、私たちの世代はこのくらいの施設ならば簡単に自分の頭の中に想像で作り上げて、そこで遊ぶことが出来たのです。だから不気味な火山も、ペルシャの宮殿も、3本マストの海賊船も、何だかみんな遠い昔に見たことがあるんですよ。

 それを現在では経済力と技術力で現実の世界に建設できるようになった。これが本当に幸せなことかどうかは分かりませんが、ここに来ている若い人たちはみんな楽しそうでした。できれば若い人たちには、この現実の世界にできたディズニーの世界をベースにして、次の世代の子供たちにはもっと大きな夢を伝えて欲しいと思います。

 何しろ次の時代には、こんな華やかな夢の世界を作れるだけの経済力や技術力があるかどうかも判りません。でも私たちの世代は本当に何も無い時代に、自分の頭の中のもっと素敵なテーマパークで遊ぶことができた、月並みな言葉ですが、経済力や技術力には限りがあるけれども、人間の想像力は無限だということを信じて欲しい。

 私がまだ子供の頃、ウォルトディズニープロダクション制作のアニメ『ピーターパン』を劇場で見ました。映画の最後、冒険から自宅に帰って来た子供たちを心配しながら待っていた大人たちは、自分の子供の頃を思い出し、家を抜け出していた子供たちを叱ることも忘れて、家の窓から夜空を見上げると海賊船が空を横切っていく、大人になっても子供だった頃を忘れちゃいけないよ、そんなエンディングだったと思います。なぜかふと昔のアニメのシーンを思い出しました。

             帰らなくっちゃ