線路は続くよ どこまでも
ずいぶん前のNHKの人気番組『チコちゃんに叱られる』の季節特別編、“チコの部屋”(たぶん民放テレビ朝日『徹子の部屋』のパロディー)に登場した綾瀬はるかさんが、誰でもよく知ってる歌の続きをいきなり暗誦して歌わされるクイズに挑戦したことがありました。何問かあってそのうちの1曲が「線路は続くよ
どこまでも」…。
「“線路は続くよどこまでも”って歌は知ってるわよね」
と問われたはるかさん、
「ハイ、知ってます」
と元気よく答えて、
線路は続くよ どこまでも♪
とチコちゃんと一緒に第1節を歌い出したはいいが、
「ハイ、続きをどうぞ」
と第2節以下を独りで歌わされた途端、しどろもどろになってしまいました。
皆さんはいきなり歌えますか。この歌は1960年代初期に“トロイカ”などと共にNHK『みんなの歌』で紹介された歌であることは別のコーナーで書いたことがあり、私は1番も2番も歌詞をしっかり暗誦しているんですね。あの番組のあのコーナー出たかった〜(笑)。
せっかくですから歌詞を書き出しておきますね。
1)線路は続くよ どこまでも
野を越え山越え 谷越えて
はるかな街まで僕たちの
楽しい旅の夢 つないでる
2)線路は歌うよ いつまでも
列車の響きを追いかけて
リズムに合わせて僕たちも
楽しい旅の歌 うたおうよ
ついでにアメリカの線路工夫たちの歌う原語の歌詞も覚えてますが、まあ、ちょっと猥歌的な意味もありますから止めておきます。最近、年齢と共に記憶力が悪くなり、特に地名や人名などの固有名詞がなかなか出て来なくなりましたが、『モスラの歌』とか親父が歌っていた軍歌『戦友』の全歌詞とか、若かった頃に覚えた歌の記憶はほとんど色褪せずに残っている、人間の記憶って摩訶不思議なものですね。
総武線 荒川鉄橋上 | つくばエクスプレス | |
秩父鉄道 荒川鉄橋手前 | 江ノ島電鉄 |
私は電車の先頭車両に乗るときは、運転士さんのすぐ後ろの位置に立つのが好きですね。運転席のガラス越しに線路が伸びていく、時に右に左にカーブを切り、時にどこまでも真っ直ぐに、橋を渡りトンネルを抜けて、さまざまな風景の中を目的地に向かってひたすら伸びていく。
電車が好きな子供は「決められた人生のレールの上を走っていく」ことを好むが、もっと自由に人生を走りたい子供は自動車を好む、さらに冒険心の強い子供は飛行機を好む、などというステレオタイプな比較論もありますが、電車という乗り物は大人に押しつけられた不自由な規律に縛られた可哀想な子供を象徴するものではないと私は思いますね。
むしろ電車の中だけは安心して身を任せていられる安息の空間、この線路が自分をどんな場所に誘ってくれるんだろうかと未来への期待と希望を抱きながら、レールの継ぎ目を通過するゴトンゴトンという音と振動を感じている、私はそんな情景を感じます。宮澤賢治の小説『銀河鉄道の夜』に着想を得たと思われる松本零士さんのアニメ『銀河鉄道999』みたいなイメージかな。
まあ、上の写真4枚は別にそんな大それた冒険旅行ではないんですが(笑)、たまたま乗った電車の先頭に立てた、周囲にそんなに他の乗客の目もない、それでこっそり小型のデジカメを取り出して撮影した何の変哲もない“乗り鉄”のショットです。右下の江ノ電の写真は鎌倉を出た列車が由比ヶ浜に差しかかる有名なスポットですが、左側は上下とも荒川を渡るところ…というのが面白いでしょ?上は河口も近い新小岩付近の鉄橋ですが、下はもっと上流、埼玉県の長瀞付近で、観光写真とかテレビ番組のロケでお馴染みのスポットに差しかかるあたりです。