私の家にあった古い絵葉書で、おそらく昭和17年初頭に発行されたものと思われます。海軍省恤兵係発行と書いてありますが、「恤兵(ジュッペイ)」とは兵をいたわるという意味で、こんな単語にも時代を感じます。かつて日本にもこういう時代があったことを知る貴重な資料でしょう。
マレー沖海戦。レパルス号撃沈。松添健画。洋上戦闘航海中に航空機の攻撃で沈められた世界最初の戦艦となりました。
同じくプリンス・オブ・ウエールズ号撃沈。松添健画。レパルス号と同時に撃沈された英国の新鋭戦艦で、チャーチル首相お気に入りの艦でした。チャーチルの回顧録にも登場します。ちなみにこの7ヶ月前にはドイツ戦艦ビスマルク号の追撃戦に参加して最初の手傷を負わせ、この手強いドイツ戦艦の撃沈に貢献した艦でもありました。
ついでにハワイ海戦(真珠湾攻撃)の絵葉書もありました。こちらは村上松次郎画。昔はこういう海軍省の御用画家という人がいたんですね。岩田豊雄(獅子文六)の小説「海軍」の主人公の1人が、やはり海軍画家でした。なお停泊中の戦艦に対する攻撃は日本軍が最初ではなくて、英国の航空隊がタラント軍港のイタリア戦艦を攻撃しています。