飛行船乗り場(晴海)
東京都にお住まいの皆様、最近ブーンという音がして空を見上げると、飛行船がゆったり飛んでいるといった光景に出くわすことが多くなったと感じていませんでしたか?
それもそのはず、2010年4月から株式会社日本飛行船が東京クルーズ、横浜クルーズを開始したそうです。
先日、お台場のあたりを歩いていたら、ご覧のような大型の飛行船がフワリと空中に浮かび上がるところを目撃しました。現在日本に1隻、世界に3隻しかないツェッペリンNT(Zeppelin
NT)という全長75メートルの飛行船です。
ツェッペリンとは20世紀初めに世界周航も可能な大型飛行船を開発したツェッペリン伯爵の名前で、これらの大型飛行船をツェッペリン飛行船と称し、1937年5月6日のヒンデンブルグ号(Hindenburg)の爆発事故により、空の交通機関の座を航空機に譲りましたが、最近またその“ゆったり感”が見直されて、レジャーや遊覧飛行に活用されているようです。
ちなみにこの飛行船「ツェッペリンNT」のNTとはnew technologyを意味し、新しい技術によりもう昔のような大惨事は起こしませんよというアピールになっています。
ところでこの飛行船によるクルーズ、いったいどんなものかとサイトを調べてみました。
まず東京クルーズ:
晴海〜東京タワー〜六本木ヒルズ〜神宮外苑〜新宿〜東京ドーム〜上野〜浅草〜東京スカイツリー〜秋葉原〜日本橋〜東京駅〜銀座〜レインボーブリッジ〜晴海(40分間)
素晴らしいですね、乗ってみたいですね。
で、そのお値段、昼は63000円、夜は68000円………(ウワアォ!)。
気を取り直して横浜クルーズ:
晴海〜東京タワー〜六本木ヒルズ〜渋谷〜代々木〜自由が丘〜横浜港(みなとみらい、山下公園、中華街)〜新横浜〜駒沢公園〜新宿〜上野〜浅草〜秋葉原〜日本橋〜東京駅〜銀座〜レインボーブリッジ〜晴海(90分間)
お値段は現在昼の飛行のみ運航されていて、126000円だそうです………(ヒエエッ!)。
食事もドリンクも無しで1時間約9万円というこのお値段、果たして高いか安いか…。そりゃ今のこの御時世、いくらレジャーのためとはいえ、こんな金額をポンと出せる人はそうはいないでしょう。どうせこれだけ出すなら、ホテルのスウィートルームに泊まるか、最高級の料理に舌鼓を打った方がお得と考えるかも知れません。
この飛行船クルーズの事業がこの先どうなるか、私には分かりませんが、一つだけエールを送るとすれば、まあ、悪いことにお金を使うくらいなら一生に1回くらいはこういう遊覧飛行も経験してみて損はないと思います。
じゃあお前は乗ったのかと言われれば、私もそれだけお金があったらご馳走を食べる方の部類ですが、実は私は昔、消防庁のヘリコプターで仕事柄ですが、似たような飛行体験をしたことがあるのです。だいたい地上500〜600メートルくらいの高度でゆっくり飛ぶと、地上で眺める景色と全然違うんですね。まあ、翼を持たない人類という種族に生まれた身の不幸、重力に縛られたまま一生を終えるのも良いですが、せっかく鳥と同じ目で世界を見ることのできる機械と機会があるなら、それを経験しておくのもまた結構か…と。
今回は何となく歯切れが悪いですが、とにかく高々度を音速近くで飛ぶジェット旅客機では絶対に経験できない視点であることは確かです。しかしもっと安くならないかしらね…。